霜月
眠たい。自分が弥生に書いた英語教室日記を読み直して、涙が目に溜まる。どういう気持ちとかを説明するまえに涙がもうすでに溜まっている。(弥生ぶりに日記を書いているということにも驚く。わぁ!)
One step at a time 一歩ずつ、焦らずゆっくりいく
カノさんからあのとき、もらった言葉。良い言葉だなぁ。この言葉を、じっくり馴染ませて歩いていた2022年だったようにおもう。
さて、もう霜月。眠たい。12月に入ってから、私のねぼすけは更に増していると思う。毎日12時までには寝ているのに、だいたい起きるのは9時前。毎日9時間以上寝ている。2021年から生活手帳をつけていて、起床就寝時間を手帳にメモ。手帳を見返すと、とある1ヶ月はほぼ23時に寝て5時に起きていることもあった。だから今のねぼすけも問題ない。そういうことだってあるよ、と思えるようになった。ちなみによく寝るのは昔からで、情報量やいろんな刺激を受けた日には、すやすやと12時間以上寝続けていた。そのことを知り合いに話すと「寝ている間にいろんなことを整理しているのだから、十分に寝たらいいよ」と言ってもらって安心したことを覚えている。起きたらいろんな情報や感情がすっきり整理されていて、「ほんとうだ」と驚くのはいつものことである。
You grow in your sleep. 寝る子は育つ
Good things come to those who wait. 果報は寝て待て。
Sleep is the best medicine. 睡眠は最高のくすり。
今年は、『眠る』がテーマになった1年だったように思う。とある装丁家さんにお呼ばれした年末収録のラジオで「今年の一冊の本を持ってきて」と言われたときも選んだのは『ねむたい人』という絵本だったし、“本で寝る本”という『本が足を組んで寝ている姿』が頭に思いついたのが4月。そのキャラクター“本で寝る本”をズーズーズーと名付け、誰に喜ばれるでもなく、せっせと粘土で作り続けていた。本のあいだに挟むと栞になり、挟んだ本がお布団にみえるのだがそんなことは後付けで、本が本で寝ている様子をただ作りたかっただけなのである。手を動かしてそんなズーズーズーたちをつくることは、私にとってなんの時間だったんだろう。まだまだこういう意図があると言葉にしたくないのですが、ズーズーズーたちが寝ている姿を見るのは、なんとも愛おしい気持ちになる。安心感。
To sleep on it. 一晩寝かせて考える。時間をとって考える。
カノさんに眠りに関する言葉を教えてほしいと連絡すると、いろんな言葉が帰ってきた。
なかでも気に入ったのは、この言葉。眠ることで、不安も喜びも自分に馴染んでいくんだなぁとこの言葉からイメージがでてくる。ちゃんと自分の身体に染み込んでいく感覚。
One step at a time 一歩ずつ、焦らずゆっくりいく
そして、
Let me sleep on it. 一晩考えさせてね。
なにかに気づいて出会って、気持ちが生まれて、よく寝て、馴染ませて、また次の日を迎える。日々、そんな繰り返しなんだろう。どちらの言葉も、同じことかもしれない。来年は、どんな日と出会えるだろう。どんな日も、よく笑って、悲しんで、よく寝て、いろんな気持ちを自分に馴染ませていけるといいなと思う。
出版社『さりげなく』 わかめかのこ
京都で仲間たちと小さな出版社をしています。