弥生
自分の器は本当に小さい。嬉しいことも悲しいことも不安なこともいろんなことが1日の中でわぁっと起こる。どんなことでもざわざわが続いてしまうとピキンと器にヒビが入ってしまう。あ、ごめんね。割れちゃったね、と声をかけて、ヒビが入ったところをじっくり見ていくように注いでいくように継いでいくように今この原稿を書いている。嬉しいことも悲しいことも一気に感じてしまうと、ピキン。久しぶりに溢れ出るように泣いた。嬉し涙でもあり悲し涙でもある。涙は何であるとは言えないものだとおもう。
最近は毎日穏やかに自分に調子はどうだい?と尋ねたいと思って、早寝早起きをはじめました。早く寝ると決めてから、夜に誰かに連絡をしなくなったり携帯も見なくなった。これはとてもよい。会社や会社の中での私の振る舞いについて最近は悩んでいると気がついたのも早く寝てるからだと思う。毎日調子はどうだい?と尋ねることができている。というわけで、大事な本「雲と鉛筆」を読み直しながらある日は電車の中で泣いて(マスクの縁の部分に涙が溜まっていく)、寝る前にも少しづつ少しづつ同じく大事な本の「モモ」を読み直しています。
先月に家族の病気が続いたときに、動じないという言葉は、どう言いますか?とカノさんに聞いた。今日また見返した。いろんな言葉の中で惹きつけられる言葉がひとつあった。というか、それしか目に入らなかった。
one step at a time 一歩ずつ、焦らずゆっくりいく
未来は気がかりだけど、今できることをゆっくりやっていく。それが未来へとつながることを祈りつつ。
モモの友人のベッポも同じことを言っていた。今目の前にあることをひとつずつ。ひとつずつ。私は今、誰よりも自分の周りにいる人と自分を大事にしたいと、思っている。ひとつずつ。
出版社『さりげなく』 わかめかのこ
京都で仲間たちと小さな出版社をしています。3月に新刊が出ます。